APC回路(Automatic Power Control)
自動出力制御回路のことで、光デバイスの出力を一定に保つための回路として、温度変化や経時劣化による出力変動を補正します。半導体レーザーでは出力安定化に用いられ、光通信の安定化、光ディスクドライブなどの光出力の制御が可能になります。
アパーチャー (Aperture)
アパーチャーとはレンズの開口のことを示します。レンズの大きさに相当し、取り込む光強度(カップリング効率)に関係します。また、画像を扱う光学機器(カメラ、プロジェクター等)において、画面の大きさを制限する枠の開口のことも同様にアパーチャーと言います。
アフォーカル(Afocal)
アフォーカル光学系は、焦点距離を持たず、平行光束の入射光を平行光束として出射する光学系です。
通常、入力と出力の2つのレンズで構成されます。
主な用途として、物体の像を焦点面に結ばずに拡大することで遠くの対象物を明確に見る双眼鏡や望遠鏡や、レーザーシステムにおいてビームの形状や広がりを変更(広げたり集束)する際に利用されています。
アプリケーションノート(Application Note)
特定の技術、製品、またはシステムの具体的な用途や使用方法を説明する技術文書です。技術者や開発者向けに、効率的に設計や応用を行うためのヒントやガイドラインを提供します。
インスペクション(Inspection)
例:Semiconductor Inspection / Wood Inspection
品質や状態を検査するためのプロセスで耐久性や構造的な健全性、用途に合わせた基準に適合しているかなどの確認に使用されます。例えば、半導体、木材などの強度、亀裂や欠陥の検出、品質、規格適合性の確認に用いられ、検査方法は、目視検査、機械的検査、非破壊検査、水分含有量検査、化学分析検査他、様々な手段を含みます。
インテンシティ(Intensity)
強度、強さ、激しさを指します。光学系ではレーザービームの光の明るさやエネルギーの密度(強度)を表します。
OPIE(Optics&Photonics International Exhibition)展示会
例年4月後半にパシフィコ横浜で3日間開催される、光とレーザーの最新製品や技術、情報が集結する国際的な展示会です。研究者や技術者、購買担当者が多く集まります。彩世も毎年ブース展示参加しています。
開口数(Numerical Aperture)
レンズの分解能やカップリング効率などに係る指標です。開口数の値が大きい方が分解能は高くなります。またカップリング効率も高くできます。開口数 NA は、物体から対物レンズに入射する光線の光軸に対する最大角度を θ、物体と対物レンズの間の媒質の屈折率を n(空気中では1)とすると、NA=n×sinθ と表せます。
ガウシアンビーム(Gaussian Beam)
ガウス分布(ベルカーブ)に従う強度プロファイルを持つ光ビームで、レーザー加工や光通信、光学顕微鏡などの用途においてよく見られるビームです。ビームの中心が最も光の強度が強く、中心から離れていくにつれてベルカーブ状に放物線上に強度が減少していく特徴があります。主な応用分野は、レーザー加工(切断・溶接・マーキング)、光ファイバー通信、望遠鏡や顕微鏡などの光学測定機器、レーザー干渉計等、光の焦点を制御したり正確な位相測定に適しています。
デメリットは、中心部分にエネルギーが集中し外側のエネルギーが弱いため、均一な強度分布が求められる場合に不適となります。この理由から、目的によっては照度均一性の高いトップハットビームシェイパーが好まれることがあります。
NOTE:ガウシアンビームの課題を解決する、彩世の特許技術トップハットビームシェイパー
彩世独自の革新的なトップハットビームシェイパーは、レーザービームを均一な強度分布(トップハットプロファイル)に変換し、入射したガウシアンビームなどを中心からエッジまで安定した強度を持つビームを生成できることから、高精度かつ均一な結果を得ることが可能です。微細さ、精密さを求められる検査や加工において、均一なビームプロファイルを提供。非接触操作でビーム整形ができるため、光学要素に物理的なダメージを与えることがなく、可視光から赤外線まで、広い波長範囲に対応できるため多岐に渡る用途に活用できる革新的な技術です。詳細は製品ページのAyase Products 、テクノロジーページをご参照ください。
ガラスモールド(Glass Molding)
ガラスを特定の形状に成形するプロセスで、光学素子の製造に使われ、特にレンズやプリズムなどで多用されます。加熱したガラス材料を金型に流し込み、冷却して固化させ所定の形状にする方法です。高精度、コスト効率が良いという利点に加えて複雑な形状の成形が可能で光学性能の向上が期待できます。主な用途は、カメラなどのレンズ、自動車のヘッドライトやセンサー、スマートフォンやデジタル機器にガラスモールド製法が用いられています。
光学素子(Optical Element)
光の制御、伝送、変換を行うための基本的な部品デバイスのことです。例えばレンズ、ミラー、プリズム、回折格子などが含まれます。光学素子は、光学機器や技術において不可欠であり、カメラ、レーザー、通信、医療機器、産業機器など幅広い分野で利用されています。
光学モジュール /レーザーモジュール(Optical Module / Laser Module)
特定の光学的機能を果たすために、複数の部品を組み合わせて構成された光学システムや光学ユニット。光学素子や電子部品が組み込まれた製品であり特定の機能や用途に応じた光学システムを構成します。例えばレーザー光源、冷却システム、光学素子(ラインジェネレーターなど)が組み込まれパッケージ化されます。
コヒーレンス(Coherence)コヒーレンシー/コヒーレント
光の波としての相関の度合いを示す概念で、完全にコヒーレントな波は一定の位相関係を保ちながら伝播します。
コヒーレンスの種類は、光が時間的にどれだけ整然とした位相を安定して保っているかを示す「時間コヒーレンス(Temporal Coherence)」と、光が空間的に(異なる位置での)波の位相がどれほど一致しているかを示す「空間コヒーレンス(Spatial Coherence)」があります。レーザー光は両方のコヒーレンスが高いため、精密な計測や加工、通信に利用されます。例えば干渉計は光の干渉現象を利用した計測装置で非常に高いコヒーレンスが必要です。
コリメート(Collimate)コリメーター/コリメーション
光を平行にする処理のことで、コリメーターやレンズを使って発散する光を平行光束にします。例えば点光源から発生した光は通常、球面状に広がりますが、コリメーターを使うことで光を平行にすることが可能です。そのことにより、長距離伝送や高精度な測定ができ、光が拡散されることなく一定の範囲で保持されるためエネルギー効率が向上します。主にレーザー技術、望遠鏡、光ファイバーなど光学機器において不可欠なプロセスです。
サージ電流(Surge Current)
電源や機器に瞬間的に流れる過大な電流で、通常は電源の投入時や雷サージなどで発生します。過度のサージ電流は、半導体レーザーをはじめとするデバイスや機器を破損させる可能性があるため、保護装置が必要です。
三次元計測(3D Profiling and Mapping)
Profiling :物体や環境の三次元情報を取得し、形状や地形、構造物の詳細なモデルを生成する技術です。
レーザー三角測量、光学干渉、接触プロファイリングなどの技術で自動車や航空機の部品製造、工業製品の品質管理
や医療用インプラントの製造や生体表面の形状測定、農産物や足形測定など高精度な測定に使われています。
Mapping:地形や環境の三次元計測情報を広範囲にわたって取得し、可視化するための技術です。例えばレーザーを用いて対象物
までの距離を測定し三次元の状況をマッピングするLiDARは航空機やドローンに搭載して地形や都市のマッピングをし
ます。他に画像を使用したフォトグラメトリー、SLAM (Simultaneous Localization and Mapping)というリアルタイ
ム位置情報ナビゲーションなどがあり、測量、建築、自動運転他、多様な応用分野で活用されています。
NOTE : 彩世(あやせ)のスーパーストレイト・LINEMANは、超高精度の計測用ラインジェネレーターです。
光切断法を用いた3次元 計測において、従来0.1%以下の直線性を、さらに向上させ0.02%以下という極小値を実現。
画像処理の際の誤差を極限まで小さくでき、更なる高精度計測が可能となります。
また、光切断法において3次元計測でライン曲がりがあると、ソフトウエアによる画像補正の際に誤差が発生し計測の
精度が落ちてしまうという問題を解決します。
C-マウント(C-Mount)
光学機器や電子機器で使用される標準的なレンズマウント規格の一つです。特に、カメラ、顕微鏡、光学センサー、レーザー装置などで広く使用されています。
特徴
- ネジ規格 : Cマウントは、ネジでレンズを取り付けるマウント規格です。 ネジの直径は 1インチ(25.4 mm)、ピッチは 32山(threads per inch) です。
- フランジバック : レンズのマウント面からセンサー(またはフィルム)までの距離(フランジバック)は、17.526 mm で規定されています。 これが他のマウント規格(例: CSマウント)との違いを生みます。
- 拡張性と互換性 : Cマウントアダプターを使用すれば、他のマウント規格(CSマウントなど)と互換性を持たせることも可能です。
- 用途に合わせた柔軟性 : レンズ交換が簡単で、撮影条件や光学特性に応じて異なるレンズを使用できます。
主な用途
- 産業用カメラ : マシンビジョン(製造ラインの検査装置など)や科学的観察に使われる高精細カメラ
- 顕微鏡や望遠鏡 : 光学機器のレンズとセンサーの接続
- レーザー関連機器 : 光の収束や拡散を調整するための光学システム
- セキュリティカメラ : 一部の高性能監視カメラ
利点
- 高い汎用性 : 規格化されており、様々なレンズや機器と互換性がある
- 耐久性 : ネジ固定式のため、安定性が高い
- コストパフォーマンス : 幅広く利用されているため、対応レンズや機器の選択肢が豊富
CMOSセンサー(CMOS Sensor) ※CMOS: Complementary Metal Oxide Semiconductor
CMOSセンサーは、光を電気信号に変換するCMOS半導体デバイスで、カメラやイメージングデバイスで広く使用されます。他に類似のデバイスとして、CCDセンサー(CCD: Charge Coupled Device)があり、一部の限られた領域で使われます。
照度均一性(Uniformity)
照明や光学装置で、照射される光の明るさの均一性を示す指標です。高い均一性は、均等な光の分布を意味します。
NOTE:彩世(あやせ)のLINEMANでは、ライン照度均一性は以下の数式で定義します。
ライン照度均一性/Uniformity=(照度NAX-照度MIN)/2[%] at focal distance
シリンドリカルレンズ (Cylindrical Lens)
“シリンダー(円筒)状”の形をしたレンズのことで、蒲鉾型をしたレンズのことを指します。シリンドリカルレンズの場合は、1軸(例えばx軸方向)のみにレンズとして作用する曲率があり、他方の軸(例えばy軸方向)には曲率がなく直線となります。シリンドリカルレンズは、楕円ビームを円形ビームに変換したり、点光源をライン状に変換したり等、ビームの一方向のみの倍率を変更する用途に用いられます。
シングルモード/マルチモード
典型的な固体レーザーやガスレーザーなどでは、大抵の場合、真円形状のビームで、かつ、強度分布がガウシアンになっています。また、典型的な半導体レーザーでは一般的にレーザービームの断面が楕円形ですが、楕円の長軸方向も短軸方向も強度分布がガウシアンになっています。これらのようにビームの強度分布が単峰性のガウシアン形状になっているものをシングルモードレーザーといいます。一方、レーザーの共振器の構造によっては、そのビーム断面の強度分布が単峰にならず、双峰性などの複数のピークをもつ分布になる場合があります。そのようなビーム形状のレーザーをマルチモードレーザーといいます。例えば、半導体レーザーで共振器ストライプ幅の非常に大きな超高出力タイプがそれに該当します。
両者の最も大きな違いは、ビームをレンズで1点に絞れるか絞れないかという点です。レーザーの用途はビームを1点に絞って使う(使いたい)ことが多いため、大抵はシングルモードレーザーが使われます。
ステレオビジョン(Stereo Vision)
2台(2台以上)のカメラで同一の物体を観測した際に得られる画像から物体の位置や距離などを三角測量に基づいて復元する、3次元計測の手法の一つです。ステレオビジョンはカメラの幾何学的なモデル化,カメラ画像への画像処理および三角測量までの一連の処理を含めた呼び名です。この方式のカメラをステレオカメラと呼ぶこともあります。
ストラクチャードライト ( Structured light)
あらかじめ定められたパターンの光を対象物に投影し、パターンのひずみ具合を解析して奥行き情報を取得し、通常画像と合わせて3次元画像を得る方式です。通常は1台のカメラとドットプロジェクターから構成されます。例えば、スマートフォンに実装されているユーザーの顔認識機能などで、この方式が利用されているものが多いです。
スペックル(Speckle)
レーザー光が粗い表面で反射したときに生じる、微細な明暗模様のことです。レーザー光のコヒーレンスが高いほど、明暗模様が強く現れます。
チップ オン サブマウント (COS : Chip on Submount)
レーザー技術や半導体デバイスにおいて、レーザーチップや半導体素子を基板(サブマウント)上に直接実装する技術や構造を指します。この技術は、デバイスの熱管理や電気的接続、機械的安定性を向上させるために重要です。
主な特徴と利点
- 熱管理の向上 : サブマウントは、通常、熱伝導性の高い素材(例えば、セラミックスや金属)で作られ、発生する熱を効率的に放散します。これにより、デバイスの性能が安定し、長寿命化につながります。
- 電気的接続の最適化 : チップとサブマウントの間に導電パターンを設けることで、電気接続を効率的に行えます。また、ワイヤーボンディングやフリップチップ接続など、さまざまな実装方法に対応しています。
- サイズの縮小 : 従来のモジュール構造よりも小型化が可能で、よりコンパクトなデバイス設計が可能です。これにより、光通信デバイスや医療用途など、サイズが重要なアプリケーションに適しています。
- 機械的安定性 : チップがサブマウントに直接取り付けられることで、外力や振動に対する耐性が向上します。
主な用途
- 光通信 : LD(レーザーダイオード)やPD(フォトダイオード)のような光通信デバイスにおいて、COS構造は効率的で高性能なデバイスを実現します。
- 医療機器 : 医療用レーザーや検査装置では、精密性と安定性が求められるため、COS技術が適しています。
- 産業用レーザー : 高出力の産業用レーザーでは、熱管理が非常に重要であるため、COS構造が活用されます。
直線性(Straightness)
一般的には、何らかの動きや形状などが、どれだけ正確に直線を保っているかを示す性能指標です。彩世では、ラインレーザーモジュールが投射したライン形状の精度の評価指標として使っています。
NOTE:彩世(あやせ)のLINEMANでは、ライン直線性は以下の数式で定義します。
ライン直線性/Straightness= Δ(理想直線からのズレP-V量)/Line長 [%] at focal distance
スーパーストレイト・LINEMANは、超直線性を追求した計測用ラインレーザーモジュールです。
DNAシーケンシング(DNA Sequencing)
ゲノム解析などの遺伝情報を解読し、生物学的なプロセスの理解、病気の診断、進化の解析などに不可欠な技術で、特に第2世代シーケンシング(NGS)や第3世代シーケンシング技術により、短時間で大量のデーターを取得できるようになり、医療やバイオテクノロジー、法医学など様々な分野で広く応用されています。
DOE(Diffractive Optical Element)
光の回折現象を利用して、特定の光学機能を持つパターンやビーム形状を生成する光学素子です。主にレーザー加工、光学計測、医療機器、プロジェクションディスプレイなどの光学制御に使用されます。DOEは、一般的に、性能が使用波長に強く依存するため、設計波長以外では性能が低下するという課題があります。
NOTE:DOEの課題を解決する、彩世の特許技術、トップハットビームシェイパー LBS/MBS
彩世独自の革新的なトップハット光学素子は、従来のDOE式のトップハットビームシェイパーとは一線を画す、他にはない優れた特徴があります。一つの素子で広い波長範囲の対応ができ、より汎用的に使える点が大きな利点です。複数の波長を必要とする測定装置で特に有効です。DOEに比べ、偽スポットが少なく、光の利用効率が向上し、より正確な測定が可能となります。
詳細は製品ページのAyase Products をご参照ください。
ToF(Time of Flight)
光源から出射した光が対象物で反射して、センサー(受光素子)に返ってくるまでの時間を計測することで対象物との距離を計測する方法をいいます。ToFセンサーとは、名前の通り、発した光が対象物に当たって帰ってくるまでの時間を使って被写体までの距離を測定できるセンサーです。LiDARでも多くの場合、ToF方式が使われています。
TTL入力(TTL Input)※TTL : Transistor-Transistor Logic
デジタル信号の入力方式の一つで、標準的なデジタル回路で使用されます。他の入力方式としては、PECL入力(Positive Emitter-Coupled Logic)、LVDS入力(Low-Voltage Differential Signaling)などがあります
トップハット ビームシェイパー(Top Hat Beam Shaper)
入射する光ビームの断面形状を均一な強度分布(トップハット形状)に変換する光学素子です。
ビーム内の端から端までフラットな光強度プロファイルを持ち、ビームの輪郭がクリアに発光します。
一般に光の回折を利用して光の波面を操作し均一性を生成し、特に精密さや高品質な成果が求められる製品に適応します。例えばレーザー加工(切断、溶接)、光学計測、画像処理、検査、医療分野など様々な分野で使用されています。光学系で良く用いられるガウシアンビームより照度均一性が高く、効率的にエネルギーを供給できます。
NOTE:彩世の特許技術、光学素子トップハットビームシェイパー
彩世独自の革新的なトップハット光学素子は、マイクロ ライン ビームシェイパー(μLINEMAN)とマイクロ ビームシェイパー
(μSQUAREMAN)があり、従来のDOE式のトップハットビームシェイパーとは一線を画す、他にはない優れた特徴があります。一つの素子で広い波長範囲の対応ができ、より汎用的に使える点が大きな利点です。また、フローサイトメーターなどの精密な光源として利用される等、複数の波長を必要とする測定装置で特に有効です。DOEに比べ、偽スポットが少なく、光の利用効率が向上し、より正確な測定が可能となります。この技術は、半導体レーザーやレーザーモジュールなど、幅広い応用範囲を持ち、精密な光学制御が求められる場面での使用が可能です。
詳細は製品ページのAyase Products をご参照ください。
偽スポット(Hot Spot /Fake Spot)
光学系やレーザーシステムにおいて、不要な光の反射や回折によって生じる不要な光斑のことです。偽スポットは精密な光学測定や加工において、精度の低下やエラー、また光の効率を低下させるなどの悪影響を与える可能性があります。
バイオイメージング(Bio Imaging)
生命科学や医療分野で、生物学サンプルや細胞、組織、臓器などの内部構造の視覚化や生体プロセスを観察するための技術や手法の総称です。蛍光イメージング(FM)、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)、光学コヒーレンス断層撮影(OCT)、CT、MRIなど種類があります。基礎生物学、医療診断、薬剤開発、再生医療などの応用分野に使用されます。バイオイメージングは、生体を傷つけることなく、高解像度の観察がリアルタイムで可能という利点があります。
バスタブ曲線(Bathtub Curve)
製品の故障率を時間経過に沿って示したグラフ曲線で、線形状がバスタブに似ていることに由来します。初期故障期、安定期、摩耗期の3つの区間に分かれます。製品の品質管理や長期使用を想定した耐久試験などは、この曲線をもとに行われます。メーカーが製品の最適な保証機関やメンテナンス計画を設定する際にも用いられます。
バタフライパッケージ(Butterfly Package)
主に光ファイバー通信や半導体レーザーのデバイスで使用される、バタフライ型のパッケージング形式で、形状が蝶に似ていることに由来します。熱放散性が高く、温度管理や冷却性能が重要な高精度機器に用いられます。
波長依存性
レーザーにはさまざまな波長のものがあります。そして、レンズやプリズムなど、ガラスや樹脂で作られている光学素子は、光の波長によって影響を受けます。すなわち、光学素子の特性には波長依存性があります。ガラスや樹脂ごとに固有の屈折率(光の屈折率)を有していますが、その屈折率が光の波長によっても少し異なるためです(屈折率に波長依存性がある)。したがって、特に複数の波長を使うことを想定した場合に、波長の違いによる影響を考慮する必要があります。また、DOEは一般的に光学的設計自由度が高いというメリットがありますが、波長依存性が非常に大きいため設計中心波長でないと使えないというデメリットがあります。
NOTE :彩世(あやせ)のトップハットテクノロジーは、波長に依存されやすいDOEと比較して、非常に滑らかな非球面レンズを用いることで特定の波長に制限されず多波長対応が可能です。この技術は、従来のDOE型(Diffractive Optical Element)のトップハットビームシェイパーの課題とされていた波長依存性の欠点をカバーする、これまでにない優位性の高いトップハットビームシェイパーと言えます。
パーティクルセンサー(Particle Sensor)
空気中の粒子を検出するセンサーで、主に空気清浄機やクリーンルームの微粒子管理、産業用の環境モニタリング、医療機器に利用されます。通常、レーザーやLED光源を使用し粒子が光を散乱させる現象を利用します。センサー内部には、光源と検出器があり、粒子のサイズと濃度をリアルタイムで測定します。
パウエルレンズ(Powell Lense)
入射光を均一な線状に拡げるために使用される特殊な光学レンズのことで、レーザスキャナー、レーザーレベル、測定機器など、正確かつ均一なラインの精度が求められるシステムとして一般的なラインジェネレーターに利用されます。
しかしラインの端側はどうしてもビーム強度が強くなる傾向にあり、一方、両端の強度が強くなるのを抑えようとすると、真ん中が凹む事になり、さらにはパウエルレンズの製造上のバラツキ、レーザの発散角のバラツキなどが加わりますので、その結果ビームの均一性は落ちていくという課題があります。
NOTE: 彩世(あやせ)の高精度ラインビームシェイパー(LBS)は、非常になだらかな曲面のみの形状であり、モールドプレスで作成することが可能です。パウエルレンズに比べて、理論的に均一なビーム強度を得られる形状のレンズを再現性良く作る事が可能となっています。
半導体レーザーダイオード(Semiconductor Laser Diode)
半導体を使用して電気エネルギーを光エネルギーに変換し光を発光させ、レーザービームを生成するデバイスです。
この光が共振器(キャビティ)内で増幅され、特定の光の波長でレーザー光として外部に放出されます。このレーザー光は*コヒーレント(波が揃った)で単一波長の光となります。
<特徴>
半導体レーザーダイオードは、従来の光源(LEDなど)に比べて以下のような特徴があります。
- 小型で高効率・・・他のレーザー発生装置(固体レーザーやガスレーザーなど)と比べて、非常に小型で高いエネルギー効率
- を持ち、低消費電力であり、出力の安定持続力が得られます。
- 高速動作・・・・・電気信号を光信号に高速変 調でき、光ファイバー通信でデーターを高速送信するために使われます。
- 多様な波長・・・・赤外線、可視光(赤、青、緑など)、紫外線など、多様な波長を出力でき、様々な用途に応用可能です。
<半導体レーザーダイオードの主な用途>
- データー通信・・・主要光源として長距離の高速データー転送が可能。光ファイバー通信、光インターネット
- 測定、センシング・LiDARシステムにおいて物体の距離や速度を正確に測定。地形測定や自動運転等
- 医療機器・・・・・レーザー手術、レーザー治療等
- 光学機器・・・・・レーザーポインターの光源、CD、DVDプレイヤー等
- 工業用加工・・・・金属やプラスチック等のレーザー精密加工(精密な切断、彫刻、溶接)
<利点>
コンパクト、多波長対応、低コスト、大量生産が可能、耐久性、低消費電力という利点があり、特にポータブルなデバイスに適しています。
<課題>
・温度依存性・・・・温度が上がると効率が低下するため、適切な温度管理が必要です。
・ビーム品質・・・・他のレーザー発生装置と比べビームの品質がやや劣ることがあるため、高精度が求められる用途では工夫
が必要です。
ピコ秒レーザー(Picosecond Laser)
ピコ秒(1兆分の1秒)の時間幅を持つレーザーパルスを生成するレーザー技術です。
ピコ秒レーザーは、従来のナノ秒レーザーに比べて、[超短パルス、高ピークパワー]という特徴があります。熱影響を最小限に抑えた高精度加工が可能であり、その微細精度とパワーを生かして高精密レーザー加工などの産業、医療、科学研究、ナノテクにロジー分野などでの幅広い応用が期待されています。
光切断法/光スライス法
レーザー三角測量(Laser Triangulation)と呼ばれる技術を基にしています。
ライン状のレーザー光を対象物に投影し、カメラで撮像する方法です。撮像されるライン光は対象物の高さや表面の形状に応じて変形します。この変化量とライン光源及びカメラの位置関係から対象物の高さを算出することができます。対象物全体を計測するには、対象物を移動させるかライン光源を動かす方法が用いられます。このデーターを連続的に取得することで対象物の3次元計測が再現されます。
<主な使用例>
- 工業用3Dスキャン :製品や部品の寸法、欠陥検査や品質管理など
- 自動車、航空機分野 :部品製造の精密測定や検査など
- ロボットビジョン :視覚センサーとして物体認識し、ピックアップや組み立てなどに利用
- バイオメディカル分野:体の部位をスキャンして形状測定し傷や腫瘍の検出に応用
- 建築・土木分野 :光切断法を利用して地形や建物表面をスキャンし、詳細な3Dモデル作成に利用。
<光切断法の利点>
非接触でありながら、ミクロンレベルの高精度な測定が可能、レーザーを使用するため、連続的な計測が可能であり高速で広範囲の計測が行えます。
光ピックアップ(Optical Pickup)
CDやDVD、Blu-rayディスクなどに記録されたデジタルメディアのデーターをレーザー光で読み取るための装置です。
レーザー光をディスクに照射し、その反射光を検出してデジタル情報に変換する役割を果たし、音楽、映像、データー情報を正確に読み取るために使用されます。
被写界深度 (DOF: Depth of field)
写真撮影等でピントを合わせる際に、ピントが合う幅のことです。ピントが合う幅が狭いとピント調整がシビアになり、合う幅が広いとピント調整が楽になります。ピントが合う幅が狭い場合は被写界深度が浅い、幅が広い場合は被写界深度が深い、と表現します。分解能や明るさなどにも関わります。
ファンアングル(Fan Angle)
光学機器やプロジェクターなどにおける光の広がり角度を指します。光をどれだけ広い範囲に照射するかを示します。
ファンアングルが大きければ光は広範囲に広がり、小さければ集中的な照射が可能になります。
光学機器やレーザーシステム、プロジェクション、照明において光の照射範囲と精度、効率を調整するために不可欠な要素です。
フレネル回折(Fresnel Diffraction)/フラウンホーファー回折(Fraunhofer Diffraction)
フレネル回折は、光が障害物の周りを回り込む際に生じる回折現象で、特に観察距離が障害物に近い場合に顕著に見られます。フランスの物理学者フレネル氏が提唱したことに由来します。光学系の設計や計算時に重視され、特にレーザーや電子顕微鏡、X線などの回折現象の解析に使われます。また、Fresnelレンズという薄型の光学素子にも応用され、光を集めるレンズの一部の厚みをそぎ落とすことで、より軽量で薄いレンズが実現されています。
これに対して、光源とスクリーンの距離が十分離れた位置において観察される回析現象は、フランホーファー回折と呼ばれます。通常、縞模様のパターンとして観察されます。特に工業や科学技術分野では光学装置の設計、レーザー技術の研究などに利用されます。
フローサイトメトリー(Flow Cytometry)
液体中の細胞や微小な粒子が高速で流れる液体流路上に、レーザー光を照射することで、それぞれの粒子の物理的および化学的特性を測定する手法です。その精度とスピードは、免疫学、腫瘍学、肝細胞研究などの発展に大きく貢献しています。
フォトニクス Japan 展示会
光・レーザー技術展示会。例年10月後半に幕張メッセで開催されます。レーザー加工、光学部品、計測器、分析技術を中心に光技術の最新動向を紹介する日本最大級の展示会です。(*彩世も毎年ブース展示参加しています。)
フォトニクス West / AMERICA 展示会
フォトニクスWESTは、例年1月下旬から2月初旬に San Francisco/AMERICAで開催される、世界最大規模の光学やフォトニクス技術に関する展示会です。(*AYASEも毎年ブース出展しています。)
この展示会は光学・フォトニクス分野で、世界的に最も重要なイベントの一つとされており、毎年多くの専門家や企業が参加します。レーザー、光学部品、イメージング技術など、最新の技術革新が紹介されるとともに、複数の専門カンファレンスや展示が同時に行われます。例えば、BiOS ExpoやQuantum West Expoなど、フォトニクスと光学工学のさまざまな分野に焦点を当てた展示が予定されています。
メドテック/ MEDTEC Japan 展示会
メドテックは、MEDICAL TECHNOLOGYの略語であり、医療技術、医療機器や診断技術、デジタルヘルスケアなどの技術分野の展示会です。例年4月中旬に東京ビッグサイトで3日間開催される日本最大級の展示会です。
モールドプレス(Mold Press)
加熱したプラスチックやガラス材料を金型に入れて圧力をかけ熱変形させることで、その表面の形状を転写し特定の形状に成形するための加工法で、レンズなどの光学部品や機械部品の製造など用いられます。精度、再現性が確保され、安定性の高い光学部品や機械部品が実現できます。精密かつ大量生産に適しており産業分野において重要な成形技術です。
ラインジェネレーター(Line Generator)
レーザーや光源の入射光を線状のビームに変換する光学装置または光学素子です。レーザービームを広げ特定の角度領域で線状にすることで精密な位置決めや高精度計測、レーザースキャニングなどの用途で使用されます。
LiDAR (Light Detection and Ranging)
LiDAR(ライダー)は、レーザーを使用して物体までの距離を測定し、その周囲の3Dデーターを生成するリモートセンシング技術です。レーザー光を物体に照射し、その反射光をセンサーで受信して距離を計算することで物体の位置や形状を検出します。LiDARシステムは、短いパルスレーザーをターゲットに発射し、ターゲットの表面の反射光がLiDARセンサーに戻ります。光の発射から戻るまでの時間を計測し光の速度を利用して距離を計算します。そのデーターを基に周囲環境の3次元的な形状や地形を再現します。
主な使用例
- 自動運転のセンサーとしてリアルタイムに障害物を検知し衝突回避システムに使用
- ドローンや航空機に搭載して3Dマッピングを生成し広範囲かつ詳細な地形データーを取得する
- 建設現場やインフラ施設の3Dスキャンに使われ工事の管理等に活用
<利点>
- ミリメートル単位の精度で3D測定が可能
- 数キロメートル先の物体も測定可能
- 霧や暗闇でもレーザー光は影響を受けにくく全天候対応が可能
<欠点>
高コスト、カメラのように色テクスチャー情報は得られない(補うためにカメラを組み合わせたシステムもある)
ライトシート(Light Sheet)
光の薄いシート状の広がりを作り出す照明技術で、特に顕微鏡や画像処理などで使用され、サンプルの3Dイメージングに役立ちます。特定の領域だけ光シートで3Dを照射するため他の部分への光の影響を最小限に抑えることが可能です。例えば、ライトシート顕微鏡は生物学や細胞観察において、サンプルを傷めずに三次元画像を取得するのに使われます。
レーザー照準器(Laser Sight)
照準器とは、元来、銃・火砲などの武器・兵器の狙いを定めるための装置です。レーザー照準器はその一種で、レーザーを使って光学的に標的を正確・精密に狙うためのデバイスです。主に射撃や工業用計測、望遠鏡に使用され精密な操作をサポートします。
レーザー発散角/ビーム発散角 (Beam Divergence)
ほぼ平行光を出力する固体レーザーやガスレーザーなどでも、一般にレーザービームは多かれ少なかれ拡がって進行します。ビーム発散角(ビーム拡がり角)は拡がりの程度を表すパラメーターです。レーザービームの発散角は、通常、固体レーザーやガスレーザーでは非常に小さいので単位は通常ミリラディアン(mrad)を用います。一方、半導体レーザーでは、固体レーザーやガスレーザーなどに比べて発散角が非常に大きいことが特徴です(数度~数十度で単位は度を用います)。しかも通常は発散角がデバイスの垂直方向(y方向)と水平方向(x方向)とで異なり、レーザービーム形状が楕円形になっています。したがって、光学系に組み込む際に考慮が必要な重要なパラメーターとなっています。
3D Profiling and Mapping
Profiling :物体や環境の三次元情報を取得し、形状や地形、構造物の詳細なモデルを生成する技術です。
レーザー三角測量、光学干渉、接触プロファイリングなどの技術で、自動車や航空機の部品製造、工業製品の品質管理、医療用インプラントの製造や生体表面の形状測定、農産物や足形測定など高精度な測定に使われています。
Mapping:地形や環境の三次元計測情報を広範囲にわたって取得し、可視化するための技術です。例えばレーザーを用いて対象物までの距離を測定し三次元の状況をマッピングするLiDAR(Light Detection and Ranging)は航空機やドローンに搭載して地形や都市のマッピングをします。他に画像を使用したフォトグラメトリー、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)というリアルタイム位置情報ナビゲーションなどがあり、測量、建築、自動運転他、多様な応用分野で活用されています。
Aperture
アパーチャ(アパーチャー)とはレンズの開口のことを示します。レンズの大きさに相当し、取り込む光強度(カップリング効率)に関係します。また、画像を扱う光学機器(カメラ、プロジェクター等)において、画面の大きさを制限する枠の開口のことも同様にアパーチャーと言います。
Afocal
アフォーカル光学系は、焦点距離を持たず、平行光束の入射光を平行光束として出射する光学系です。
通常、入力と出力の2つのレンズで構成されます。
主な用途として、物体の像を焦点面に結ばずに拡大することで遠くの対象物を明確に見る双眼鏡や望遠鏡や、レーザーシステムにおいてビームの形状や広がりを変更(広げたり集束)する際に利用されています。
Application Note
特定の技術、製品、またはシステムの具体的な用途や使用方法を説明する技術文書です。技術者や開発者向けに、効率的に設計や応用を行うためのヒントやガイドラインを提供します。
Automatic Power Control
自動出力制御回路のことで、光デバイスの出力を一定に保つための回路として、温度変化や経時劣化による出力変動を補正します。半導体レーザーでは出力安定化に用いられ、光通信の安定化、光ディスクドライブなどの光出力の制御が可能になります。
Bathtub Curve
製品の故障率を時間経過に沿って示したグラフ曲線で、線形状がバスタブに似ていることに由来します。初期故障期、安定期、摩耗期の3つの区間に分かれます。製品の品質管理や長期使用を想定した耐久試験などは、この曲線をもとに行われます。メーカーが製品の最適な保証機関やメンテナンス計画を設定する際にも用いられます。
Beam Divergence
ほぼ平行光を出力する固体レーザーやガスレーザーなどでも、一般にレーザービームは多かれ少なかれ拡がって進行します。ビーム発散角(ビーム拡がり角)は拡がりの程度を表すパラメーターです。レーザービームの発散角は、通常、固体レーザーやガスレーザーでは非常に小さいので単位は通常ミリラディアン(mrad)を用います。一方、半導体レーザーでは、固体レーザーやガスレーザーなどに比べて発散角が非常に大きいことが特徴です(数度~数十度で単位は度を用います)。しかも通常は発散角がデバイスの垂直方向(y方向)と水平方向(x方向)とで異なり、レーザービーム形状が楕円形になっています。したがって、光学系に組み込む際に考慮が必要な重要なパラメーターとなっています。
Bio Imaging
生命科学や医療分野で、生物学サンプルや細胞、組織、臓器などの内部構造の視覚化や生体プロセスを観察するための技術や手法の総称です。蛍光イメージング(FM)、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)、光学コヒーレンス断層撮影(OCT)、CT、MRIなど種類があります。基礎生物学、医療診断、薬剤開発、再生医療などの応用分野に使用されます。バイオイメージングは、生体を傷つけることなく、高解像度の観察がリアルタイムで可能という利点があります。
Butterfly Package
主に光ファイバー通信や半導体レーザーのデバイスで使用される、バタフライ型のパッケージング形式で、形状が蝶に似ていることに由来します。熱放散性が高く、温度管理や冷却性能が重要な高精度機器に用いられます。
C-mount
光学機器や電子機器で使用される標準的なレンズマウント規格の一つです。特に、カメラ、顕微鏡、光学センサー、レーザー装置などで広く使用されています。
特徴
- ネジ規格 • Cマウントは、ネジでレンズを取り付けるマウント規格です。 • ネジの直径は 1インチ(25.4 mm)、ピッチは 32山(threads per inch) です。
- フランジバック • レンズのマウント面からセンサー(またはフィルム)までの距離(フランジバック)は、17.526 mm で規定されています。 • これが他のマウント規格(例: CSマウント)との違いを生みます。
- 拡張性と互換性 • Cマウントアダプターを使用すれば、他のマウント規格(CSマウントなど)と互換性を持たせることも可能です。
- 用途に合わせた柔軟性 • レンズ交換が簡単で、撮影条件や光学特性に応じて異なるレンズを使用できます。
主な用途
- 産業用カメラ • マシンビジョン(製造ラインの検査装置など)や科学的観察に使われる高精細カメラ。
- 顕微鏡や望遠鏡 • 光学機器のレンズとセンサーの接続。
- レーザー関連機器 • 光の収束や拡散を調整するための光学システム。
- セキュリティカメラ • 一部の高性能監視カメラ。 CSマウントとの違い • CSマウントはCマウントに似ていますが、フランジバックが12.526 mmで、Cマウントより短い設計です。
利点
- 高い汎用性 • 規格化されており、様々なレンズや機器と互換性がある。
- 耐久性 • ネジ固定式のため、安定性が高い。
- コストパフォーマンス • 幅広く利用されているため、対応レンズや機器の選択肢が豊富。
Charge-Coupled Device
CCD(電荷結合素子)センサーは、光を電気信号に変換するデバイスで、カメラやイメージングデバイスで使用されます。
Chip on Submount, COS
レーザー技術や半導体デバイスにおいて、レーザーチップや半導体素子を基板(サブマウント)上に直接実装する技術や構造を指します。この技術は、デバイスの熱管理や電気的接続、機械的安定性を向上させるために重要です。
主な特徴と利点
- 熱管理の向上 サブマウントは、通常、熱伝導性の高い素材(例えば、セラミックスや金属)で作られ、発生する熱を効率的に放散します。これにより、デバイスの性能が安定し、長寿命化につながります。
- 電気的接続の最適化 チップとサブマウントの間に導電パターンを設けることで、電気接続を効率的に行えます。また、ワイヤーボンディングやフリップチップ接続など、さまざまな実装方法に対応しています。
- サイズの縮小 従来のモジュール構造よりも小型化が可能で、よりコンパクトなデバイス設計が可能です。これにより、光通信デバイスや医療用途など、サイズが重要なアプリケーションに適しています。
- 機械的安定性 チップがサブマウントに直接取り付けられることで、外力や振動に対する耐性が向上します。
主な用途
- 光通信 LD(レーザーダイオード)やPD(フォトダイオード)のような光通信デバイスにおいて、COS構造は効率的で高性能なデバイスを実現します。
- 医療機器 医療用レーザーや検査装置では、精密性と安定性が求められるため、COS技術が適しています。
- 産業用レーザー 高出力の産業用レーザーでは、熱管理が非常に重要であるため、COS構造が活用されます。
Coherence
光の波としての相関の度合いを示す概念で、完全にコヒーレントな波は一定の位相関係を保ちながら伝播します。
コヒーレンスの種類は、光が時間的にどれだけ整然とした位相を安定して保っているかを示す「時間コヒーレンス(Temporal Coherence)」と、光が空間的に(異なる位置での)波の位相がどれほど一致しているかを示す「空間コヒーレンス(Spatial Coherence)」があります。レーザー光は両方のコヒーレンスが高いため、精密な計測や加工、通信に利用されます。例えば干渉計は光の干渉現象を利用した計測装置で非常に高いコヒーレンスが必要です。
Collimate
光を平行にする処理のことで、コリメーターやレンズを使って発散する光を平行光束にします。例えば点光源から発生した光は通常、球面状に広がりますが、コリメーターを使うことで光を平行にすることが可能です。そのことにより、長距離伝送や高精度な測定ができ、光が拡散されることなく一定の範囲で保持されるためエネルギー効率が向上します。主にレーザー技術、望遠鏡、光ファイバーなど光学機器において不可欠なプロセスです。
Cylindrical Lens
“シリンダー(円筒)状”の形をしたレンズのことで、蒲鉾型をしたレンズのことを指します。シリンダーレンズの場合は、1軸(例えばx軸方向)のみにレンズとして作用する曲率があり、他方の軸(例えばy軸方向)には曲率がなく直線となります。シリンドリカルレンズは、楕円ビームを円形ビームに変換したり、点光源をライン状に変換したり等、ビームの一方向のみの倍率を変更する用途に用いられます。
DNA Sequencing
ゲノム解析などの遺伝情報を解読し、生物学的なプロセスの理解、病気の診断、進化の解析などに不可欠な技術で、特に第2世代シーケンシング(NGS)や第3世代シーケンシング技術により、短時間で大量のデーターを取得できるようになり、医療やバイオテクノロジー、法医学など様々な分野で広く応用されています。
DOE(Diffractive Optical Element)
光の回折現象を利用して、特定の光学機能を持つパターンやビーム形状を生成する光学素子です。主にレーザー加工、光学計測、医療機器、プロジェクションディスプレイなどの光学制御に使用されます。DOEは、一般的に性能が使用波長に強く依存するため、設計波長以外では性能が低下するという課題があります。
NOTE :彩世(あやせ)のトップハットテクノロジーは、波長に依存されやすいDOEと比較して、非常に滑らかな非球面レンズを用いることで特定の波長に制限されず多波長対応が可能です。この技術は、従来のDOE型(Diffractive Optical Element)のトップハットビームシェイパーの課題とされていた波長依存性の欠点をカバーする、これまでにない優位性の高いトップハットビームシェイパーと言えます。
COM SENSOR ※CMOS: Complementary Metal Oxide Semiconductor
CMOSセンサーは、光を電気信号に変換するCMOS半導体デバイスで、カメラやイメージングデバイスで広く使用されます。他に類似のデバイスとして、CCDセンサー(CCD: Charge Coupled Device)があり、一部の限られた領域で使われます。
Depth of field
写真撮影等でピントを合わせる際に、ピントが合う幅のことです。ピントが合う幅が狭いとピント調整がシビアになり、合う幅が広いとピント調整が楽になります。ピントが合う幅が狭い場合は被写界深度が浅い、幅が広い場合は被写界深度が深い、と表現します。分解能や明るさなどにも関わります。
Fan Angle
光学機器やプロジェクターなどにおける光の広がり角度を指します。光をどれだけ広い範囲に照射するかを示します。
ファンアングルが大きければ光は広範囲に広がり、小さければ集中的な照射が可能になります。
光学機器やレーザーシステム、プロジェクション、照明において光の照射範囲と精度、効率を調整するために不可欠な要素です。
Flow Cytometry
液体中の細胞や微小な粒子が高速で流れる液体流路上に、レーザー光を照射することで、それぞれの粒子の物理的および化学的特性を測定する手法です。その精度とスピードは、免疫学、腫瘍学、肝細胞研究などの発展に大きく貢献しています。
Fresnel Diffraction / Fraunhofer Diffraction
フレネル回折は、光が障害物の周りを回り込む際に生じる回折現象で、特に観察距離が障害物に近い場合に顕著に見られます。フランスの物理学者フレネル氏が提唱したことに由来します。光学系の設計や計算時に重視され、特にレーザーや電子顕微鏡、X線などの回折現象の解析に使われます。また、フレネルレンズという薄型の光学素子にも応用され、光を集めるレンズの一部の厚みをそぎ落とすことで、より軽量で薄いレンズが実現されています。
これに対して、光源とスクリーンの距離が十分離れた位置において観察される回折現象は、フランホーファー回折と呼ばれます。通常、縞模様のパターンとして観察されます。特に工業や科学技術分野では光学装置の設計、レーザー技術の研究などに利用されます。
Gaussian Beam
ガウス分布(ベルカーブ)に従う強度プロファイルを持つ光ビームで、レーザー加工や光通信、光学顕微鏡などの用途においてよく見られるビームです。ビームの中心が最も光の強度が強く、中心から離れていくにつれてベルカーブ状に強度が減少していく特徴があります。主な応用分野は、レーザー(切断・溶接・マーキング)加工、光ファイバー通信、望遠鏡や顕微鏡などの光学測定機器、レーザー干渉計等、光の焦点を制御したり正確な位相測定に適しています。
デメリットは、中心部分にエネルギーが集中し外側のエネルギーが弱いため均一な強度分布が求められる場合に不適となります。この特徴から、目的により、照度均一性の高いトップハットビームシェイパーが好まれることがあります。
Glass Molding
ガラスを特定の形状に成形するプロセスで、光学素子の製造に使われ、特にレンズやプリズムなどで多用されます。加熱したガラス材料を金型に流し込み、冷却して固化させ所定の形状にする方法です。高精度、コスト効率が良いという利点に加えて複雑な形状の成形が可能で光学性能の向上が期待できます。主な用途は、カメラなどのレンズ、自動車のヘッドライトやセンサー、スマートフォンやデジタル機器にガラスモールド製法が用いられています。
Hot Spot Fake Spot
光学系やレーザーシステムにおいて、不要な光の反射や回折によって生じる不要な光斑のことです。偽スポットは精密な光学測定や加工において、精度の低下やエラー、また光の効率を低下させるなどの悪影響を与える可能性があります。
Illuminance Uniformity
照明や光学装置で、照射される光の明るさの均一性を示す指標です。高い均一性は、均等な光の分布を意味します。
NOTE:彩世のLINEMANでは、ライン照度均一性は以下の数式で定義します。
ライン照度均一性/Uniformity=(照度NAX-照度MIN)/2[%] at focal distance
Inspection
例:Semiconductor Inspection/Wood Inspection
品質や状態を検査するためのプロセスで耐久性や構造的な健全性、用途に合わせた基準に適合しているかなどの確認に使用されます。例えば、半導体、木材などの強度、亀裂や欠陥の検出、品質、規格適合性の確認に用いられ、検査方法は、目視検査、機械的検査、非破壊検査、水分含有量検査、化学分析検査他、様々な手段を含みます。
Intensity
強度、強さ、激しさを指します。光学系ではレーザービームの光の明るさやエネルギーの密度(強度)を表します。
Laser Cutting Method / Optical Slicing Method
レーザー三角測量(Laser Triangulation)と呼ばれる技術を基にしています。
ライン状のレーザー光を対象物に投影し、カメラで撮像する方法です。撮像されるライン光は対象物の高さや表面の形状に応じて変形します。この変化量とライン光源及びカメラの位置関係から対象物の高さを算出することができます。対象物全体を計測するには、対象物を移動させるかライン光源を動かす方法が用いられます。このデーターを連続的に取得することで対象物の3次元計測が再現されます。
<主な使用例>
- 工業用3Dスキャン :製品や部品の寸法、欠陥検査や品質管理など
- 自動車、航空機分野 :部品製造の精密測定や検査など
- ロボットビジョン :視覚センサーとして物体認識し、ピックアップや組み立てなどに利用
- バイオメディカル分野 :体の部位をスキャンして形状測定し傷や腫瘍の検出に応用
- 建築・土木分野 :光切断法を利用して地形や建物表面をスキャンし、詳細な3Dモデル作成に利用。
<光切断法の利点>
非接触でありながら、ミクロンレベルの高精度な測定が可能、レーザーを使用するため、連続的な計測が可能であり高速で広範囲の計測が行えます。
Laser Sight
照準器とは、元来、銃・火砲などの武器・兵器の狙いを定めるための装置です。レーザー照準器はその一種で、レーザーを使って光学的に標的を正確・精密に狙うためのデバイスです。主に射撃や工業用計測、望遠鏡に使用され精密な操作をサポートします。
LiDAR(light Detection and Ranging)
LiDAR(ライダー)は、レーザーを使用して物体までの距離を測定し、その周囲の3Dデーターを生成するリモートセンシング技術です。レーザー光を物体に照射し、その反射光をセンサーで受信して距離を計算することで物体の位置や形状を検出します。LiDARシステムは、短いパルスレーザーをターゲットに発射し、ターゲットの表面の反射光がLiDARセンサーに戻ります。光の発射から戻るまでの時間を計測し光の速度を利用して距離を計算します。そのデーターを基に周囲環境の3次元的な形状や地形を再現します。
主な使用例
- 自動運転のセンサーとしてリアルタイムに障害物を検知し衝突回避システムに使用
- ドローンや航空機に搭載して3Dマッピングを生成し広範囲かつ詳細な地形データーを取得する
- 建設現場やインフラ施設の3Dスキャンに使われ工事の管理等に活用
<利点>
- ミリメートル単位の精度で3D測定が可能
- 数キロメートル先の物体も測定可能
- 霧や暗闇でもレーザー光は影響を受けにくく全天候対応が可能
<欠点>
高コスト、カメラのように色テクスチャー情報は得られない(補うためにカメラを組み合わせたシステムもある)
Light Sheet
光の薄いシート状の広がりを作り出す照明技術で、特に顕微鏡や画像処理などで使用され、サンプルの3Dイメージングに役立ちます。特定の領域だけ光シートで3Dを照射するため他の部分への光の影響を最小限に抑えることが可能です。例えば、ライトシート顕微鏡は生物学や細胞観察において、サンプルを傷めずに三次元画像を取得するのに使われます。
Line Generator
レーザーや光源の入射光を線状のビームに変換する光学装置または光学素子です。レーザービームを広げ特定の角度領域で線状にすることで精密な位置決めや高精度計測、レーザースキャニングなどの用途で使用されます。
MEDTEC Japan 展示会
メドテックは、MEDICAL TECHNOLOGYの略語であり、医療技術、医療機器や診断技術、デジタルヘルスケアなどの技術分野の展示会です。例年4月中旬に東京ビッグサイトで3日間開催される日本最大級の展示会です。
Mold Press
加熱したプラスチックやガラス材料を金型に入れて圧力をかけ熱変形させることで、その表面の形状を転写し特定の形状に成形するための加工法で、レンズなどの光学部品や機械部品の製造など用いられます。精度、再現性が確保され、安定性の高い光学部品や機械部品が実現できます。精密かつ大量生産に適しており産業分野において重要な成形技術です。
Numerical Aperture
レンズの分解能やカップリング効率などに係る指標です。開口数の値が大きい方が分解能は高くなります。またカップリング効率も高くできます。開口数 NA は、物体から対物レンズに入射する光線の光軸に対する最大角度を θ、物体と対物レンズの間の媒質の屈折率を n(空気中では1)とすると、NA=n×sinθ と表せます。
Optical Module /Laser Module
特定の光学的機能を果たすために、複数の部品を組み合わせて構成された光学システムや光学ユニット。光学素子や電子部品が組み込まれた製品であり特定の機能や用途に応じた光学システムを構成します。例えばレーザー光源、冷却システム、光学素子(ラインジェネレーターなど)が組み込まれパッケージ化されます。
OPIE(Optics&Photonics International Exhibition)
例年4月後半にパシフィコ横浜で3日間開催される、光とレーザーの最新製品や技術、情報が集結する国際的な展示会です。研究者や技術者、購買担当者が多く集まります。彩世も毎年ブース展示参加しています。
Optical Element
光の制御、伝送、変換を行うための基本的な部品デバイスのことです。例えばレンズ、ミラー、プリズム、回折格子などが含まれます。光学素子は、光学機器や技術において不可欠であり、カメラ、レーザー、通信、医療機器、産業機器など幅広い分野で利用されています。
Optical Pickup
CDやDVD、Blu-rayディスクなどに記録されたデジタルメディアのデーターをレーザー光で読み取るための装置です。
レーザー光をディスクに照射し、その反射光を検出してデジタル情報に変換する役割を果たし、音楽、映像、データー情報を正確に読み取るために使用されます。
Particle Sensor
空気中の粒子を検出するセンサーで、主に空気清浄機やクリーンルームの微粒子管理、産業用の環境モニタリング、医療機器に利用されます。通常、レーザーやLED光源を使用し粒子が光を散乱させる現象を利用します。センサー内部には、光源と検出器があり、粒子のサイズと濃度をリアルタイムで測定します。
Photonics Japan 展示会
光・レーザー技術展示会。例年10月後半に幕張メッセで開催されます。レーザー加工、光学部品、計測器、分析技術を中心に光技術の最新動向を紹介する日本最大級の展示会です。(*彩世も毎年ブース展示参加しています。)
Photonxics West/AMERICA 展示会
フォトニクスWESTは、例年1月下旬から2月初旬にSan Francisco/AMERICAで開催される、世界最大規模の光学やフォトニクス技術に関する展示会です。(*彩世も毎年ブース展示参加しています。)
Picosecond Laser
ピコ秒(1兆分の1秒)の時間幅を持つレーザーパルスを生成するレーザー技術です。
ピコ秒レーザーは、従来のナノ秒レーザーに比べて、[超短パルス、高ピークパワー]という特徴があります。熱影響を最小限に抑えた高精度加工が可能であり、その微細精度とパワーを生かして高精密レーザー加工などの産業、医療、科学研究、ナノテクにロジー分野などでの幅広い応用が期待されています。
Powell Lense
入射光を均一な線状に拡げるために使用される特殊な光学レンズで、ラインジェネレーターとして利用されます。
レーザスキャナー、レーザーレベル、測定機器など、正確かつ均一なラインの精度が求められるシステムで用いられます。
Semiconductor Laser Diode
半導体を使用して電気エネルギーを光エネルギーに変換し光を発光させ、レーザービームを生成するデバイスです。
この光が共振器(キャビティ)内で増幅され、特定の光の波長でレーザー光として外部に放出されます。このレーザー光は*コヒーレント(波が揃った)で単一波長の光となります。
<特徴>
半導体レーザーダイオードは、従来の光源(LEDなど)に比べて以下のような特徴があります。
- 小型で高効率・・・・他のレーザー発生装置(固体レーザーやガスレーザーなど)と比べて、非常に小型で高いエネルギー効率を持ち、低消費電力であり、出力の安定持続力が得られます。
- 高速動作・・・・・・・・電気信号を光信号に高速変調でき、光ファイバー通信でデーターを高速送信するために使われます。
- ・多様な波長・・・・・・赤外線、可視光(赤、青、緑など)、紫外線など、多様な波長を出力でき、様々な用途に応用可能です。
<半導体レーザーダイオードの主な用途>
- データー通信・・・・・・主要光源として長距離の高速データー転送が可能。光ファイバー通信、光インターネット
- 測定、センシング・・・LiDARシステムにおいて物体の距離や速度を正確に測定。地形測定や自動運転等
- 医療機器・・・・・・・・レーザー手術、レーザー治療等
- 光学機器・・・・・・・・レーザーポインターの光源、CD、DVDプレイヤー等
- 工業用加工・・・・・・金属やプラスチック等のレーザー精密加工(精密な切断、彫刻、溶接)
<利点>
コンパクト、多波長対応、低コスト、大量生産が可能、耐久性、低消費電力という利点があり、特にポータブルなデバイスに適しています。
<課題>
温度依存性・・・温度が上がると効率が低下するため、適切な温度管理が必要です。
ビーム品質・・・・ほかのレーザー発生装置と比べて、ビームの品質がやや劣ることがあるため、高精度が求められる用途では工夫が必要です。
Single Mode/ Multi Mode
典型的な固体レーザーやガスレーザーなどでは、大抵の場合、真円形状のビームで、かつ、強度分布がガウシアンになっています。また、典型的な半導体レーザーでは一般的にレーザービームの断面が楕円形ですが、楕円の長軸方向も短軸方向も強度分布がガウシアンになっています。これらのようにビームの強度分布が単峰性のガウシアン形状になっているものをシングルモードレーザーといいます。一方、レーザーの共振器の構造によっては、そのビーム断面の強度分布が単峰にならず、双峰性などの複数のピークをもつ分布になる場合があります。そのようなビーム形状のレーザーをマルチモードレーザーといいます。例えば、半導体レーザーで共振器ストライプ幅の非常に大きな超高出力タイプがそれに該当します。
両者の最も大きな違いは、ビームをレンズで1点に絞れるか絞れないかという点です。レーザーの用途はビームを1点に絞って使う(使いたい)ことが多いため、大抵はシングルモードレーザーが使われます。
Surge Current
電源や機器に瞬間的に流れる過大な電流で、通常は電源の投入時や雷サージなどで発生します。過度のサージ電流は、半導体レーザーをはじめとするデバイスや機器を破損させる可能性があるため、保護装置が必要です。
Speckle
レーザー光が粗い表面で反射したときに生じる、微細な明暗模様のことです。レーザー光のコヒーレンシが高いほど、明暗模様が強く現れます。
Straightness
一般的には、何らかの動きや形状などが、どれだけ正確に直線を保っているかを示す性能指標です。彩世では、ラインレーザーモジュールが投射したライン形状の精度の評価指標として使っています。
NOTE:彩世のLINEMANでは、ライン直線性は以下の数式で定義します。
ライン直線性/Straightness=△(理想直線からのズレP-V量)/Line長 [%] at focal distance
Stereo Vision
2台(2台以上)のカメラで同一の物体を観測した際に得られる画像から物体の位置や距離などを三角測量に基づいて復元する、3次元計測の手法の一つです。ステレオビジョンはカメラの幾何学的なモデル化,カメラ画像への画像処理および三角測量までの一連の処理を含めた呼び名です。この方式のカメラをステレオカメラと呼ぶこともあります。
Structured light
あらかじめ定められたパターンの光を対象物に投影し、パターンのひずみ具合を解析して奥行き情報を取得し、通常画像と合わせて3次元画像を得る方式です。通常は1台のカメラとドットプロジェクターから構成されます。例えば、スマートフォンに実装されているユーザーの顔認識機能などで、この方式が利用されているものが多いです。
ToF(Time of Flight)
光源から出射した光が対象物で反射して、センサー(受光素子)に返ってくるまでの時間を計測することで対象物との距離を計測する方法をいいます。TOFセンサーとは、名前の通り、発した光が対象物に当たって帰ってくるまでの時間を使って被写体までの距離を測定できるセンサーです。LiDARでも多くの場合、TOF方式が使われています。
TTL Input ※TTL: Transistor-Transistor Logic
デジタル信号の入力方式の一つで、標準的なデジタル回路で使用されます。他の入力方式としては、PECL入力(Positive Emitter-Coupled Logic)、LVDS入力(Low-Voltage Differential Signaling)などがあります。
Top Hat Beam Shaper
入射する光ビームの断面形状を均一な強度分布(トップハット形状)に変換する光学素子です。
ビーム内の端から端までフラットな光強度プロファイルを持ち、ビームの輪郭がクリアに発光します。
一般に光の回折を利用して光の波面を操作し均一性を生成し、特に精密さや高品質な成果が求められる製品に適応します。例えばレーザー加工(切断、溶接)、光学計測、画像処理、検査、医療分野など様々な分野で使用されています。光学系で良く用いられるガウシアンビームより照度均一性が高く、効率的にエネルギーを供給できます。
NOTE:彩世の特許技術、光学素子トップハットビームシェイパー
彩世独自の革新的なトップハット光学素子は、ラインジェネレーター(μLINEMAN)とスクエアジェネレーター
(μSQUAREMAN)があり、従来のDOE式のトップハットビームシェイパーとは一線を画す、他にはない優れた特徴があります。一つの素子で広い波長範囲の対応ができ、より汎用的に使える点が大きな利点です。また、フローサイトメーターなどの精密な光源として利用される等、複数の波長を必要とする測定装置で特に有効です。
DOEに比べ、偽スポットが少なく、光の利用効率が向上し、より正確な測定が可能となります。この技術は、半導体レーザーやレーザーモジュールなど、幅広い応用範囲を持ち、精密な光学制御が求められる場面での使用が可能です。
詳細は製品ページをご参照ください。
Wavelength Dependence
レーザーにはさまざまな波長のものがあります。そして、レンズやプリズムなど、ガラスや樹脂で作られている光学素子は、光の波長によって影響を受けます。すなわち、光学素子の特性には波長依存性があります。ガラスや樹脂ごとに固有の屈折率(光の屈折率)を有していますが、その屈折率が光の波長によっても少し異なるためです(屈折率に波長依存性がある)。したがって、特に複数の波長を使うことを想定した場合に、波長の違いによる影響を考慮する必要があります。また、DOEは一般的に光学的設計自由度が高いというメリットがありますが、波長依存性が非常に大きいため設計中心波長でないと使えないというデメリットがあります。